人口密度の高い大都市では自動車などの乗り物や工業団地から環境を害するガスが大量に排出されています。バンコクでは大量に排出されたガスで大気が汚染され人体の健康を脅かすものにまで深刻化しいます。大気汚染の一種である微小粒子状物質PM2.5は呼吸器官だけでなく脳にも損傷を与え得ると分っております。


PM2.5とは

 今では微小粒子状物質PM2.5を知らない方は少ないでしょう。微小粒子状物質PM2.5の大きさはたったの 2.5µm(1μmは1mmの千分の1)しかなく、髪の毛の20~30倍小さいです。しかしPM2.5だけでなく、他にも一酸化炭素(CO)、二酸化硫黄(SO2)、  オゾン(O3)、二酸化窒素(NO2)、重金属類など有害な小粒子が私達が毎日呼吸する大気に浮遊しています。90%以上の世界人口が世界大気質指数の水準を上回る大気汚染を受けています。

 大気汚染はタイだけでなく世界中の大都市で発生しているため、健康への影響が広い範囲で問題となっています。世界保健機関(WHO)は毎年世界で700万人が、肺がん、肺気腫、心疾患、脳疾患などを引き起こす大気汚染が原因で若く死亡していると発表しています(世界保健機関)。


 shutterstock_1302689761


PM2.5の危険
 微小粒子状物質PM2.5は呼吸器官だけなく血流に流れに乗って、または鼻腔奥にある嗅神経を通って直接脳へ到達し脳に影響をもたらします。脳に到達すると脳が炎症を起こし、脳内に様々な炎症性物質が分泌され脳細胞に損傷を与えます。脳細胞の損傷によって脳機能低下を早めます。PM2.5はアルツハイマー病やパーキンソン病に見られる異常タンパク質の分泌の原因にもなっています(Calderón-Garcidueñas2015)(Calderón-Garcidueñas L., 2016)。またPM2.5、脳白質の 萎縮を引き起す原因にもなります。(Chen J.-C., 2015)


 ヨーロッパの13カ国が手かけた30万人以上を対象に14年間調査する大規模な研究(ESCAPE Project)によると、PM2.515 μg/m³受けたグループは死亡率が上がっていることが分っています。また死亡率はPM2.5が5 μg/m³増えると同時に7%増えることが分っています(Beelen, 2013) 


shutterstock_1301893777

PM2.5と脳

 子供を対象にした研究で脳の発達障害とPM2.5の関係性が証明されています。PM2.5は知能指数(IQ)の低下、認知機能や精神運動の発達 の遅れ、聴覚や視覚の異常、注意欠陥多動性障害(ADHD)、自閉症などの脳発達障害の発症率を68%高まります(Suades-González, 2015) (Fu, 2019) 


 大人に関してはPM2.5受けることによってがアルツハイマー病を3倍、パーキンソン病34%高めることが分っています(Fu, 2019)。またPM2.5が10 μg/m³増す度に脳血管疾患(脳卒中)発症率は13%高まります。元から脳血管疾患にかかっている方の死亡率も高めまあす(Lin, 2017) 


 PM2.5の濃度が高い場所での運動は脳に悪影響を与え脳血管疾患の発症率を高めます。野菜や果物には抗酸化物質が含まれているため、野菜や果物(一日あたり3.5 serving)を摂取することで PM2.5の体に与える影響を減らすことができます(Lin, 2017) (Runhua, 2018) 。


 偏頭痛に悩まされている方は人より異常物質に敏感なため、PM2.5や他の大気中の有害物質によって激しい偏頭痛を起こす危険性があります。冬などPM2.5の濃度が高い時期には激しい偏頭痛で病院へ行く人が4~13%増えることがわかっています(Chen C.-C., 2015) 

shutterstock_1285549867


 現段階では医師はPM2.5を含む大気中の有害物質は身体のあらゆる器官に影響を与えます。有害物の多い場所を避ける、抗酸化物質の含まれている野菜を食べる、PM2.5吸入防止マスクを着用する、大気汚染の改善を心がけるが大切だと語っております。


References

Dr. Kiration Vogvaianich

(2019, Febuary 8). Retrieved from World Health Organization: https://www.who.int/airpollution/en/ 

Beelen, R. a.-N. (2013, 12). Effects of long-term exposure to air pollution on natural-cause mortality: An analysis of 22 European cohorts within the multicentre ESCAPE project. Lancet, 383. doi:10.1016/S0140-6736(13)62158-3 

Calderón-Garcidueñas. (2015). Air pollution and your brain: What do you need to know right now. Primary Health Care Research & Development, 329-345. doi:10.1017/S146342361400036X

Calderón-Garcidueñas, L. (2016). Cerebrospinal Fluid Biomarkers in Highly Exposed PM2.5 Urbanites: The Risk of Alzheimer's and Parkinson's Diseases in Young Mexico City Residents. J Alzheimers Dis., 597-613. doi:10.3233/JAD-160472 

Chen, C.-C. (2015). Association between Fine Particulate Air Pollution and Daily Clinic Visits for Migraine in a Subtropical City: Taipei, Taiwan. Int J Environ Res Public Health, 4697–4708. doi:10.3390/ijerph120504697 

Chen, J.-C. (2015). Ambient Air Pollution and Neurotoxicity on Brain Structure: Evidence from Women’s Health Initiative Memory Study. Ann Neurol, 466–476. doi:10.1002/ana.24460 

Fu, P. (2019). The association between PM2.5 exposure and neurological disorders: A systematic review and meta-analysis. Sci Total Environ, 1240-1248. doi:10.1016/j.scitotenv.2018.11.218 

Lin, H. (2017). Ambient PM2.5 and Stroke: Effect Modifiers and Population Attributable Risk in Six Low- and Middle-Income Countries. Stroke, 1191-1197. doi:10.1161/STROKEAHA.116.015739. 

Runhua, Z. (2018). Acute Effects of Particulate Air Pollution on Ischemic Stroke and Hemorrhagic Stroke Mortality. Front Neurol. doi:10.3389/fneur.2018.00827 

Suades-González, E. (2015). Air Pollution and Neuropsychological Development: A Review of the Latest Evidence. Endocrinology, 3473-3482. doi:10.1210/en.2015-1403


バンコク病院ホームページの記事はこちら



詳しくはこちらまで:Bangkok Neurological Surgery Center

Tel : +66(0)2-310-3257(日本語対応)

Email: info@bangkokhospital.com, jpn@bangkokhospital.com             

日本人専門クリニック