“認知症”を90%以上正確に診断する新技術

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 自身が“認知症”だと気付かずかないため病院で正しい治療を受けず、医者の元へ来た頃には治療が困難な状態までに放置してしまうケースが多く見られます。現在、痛みなしで迅速かつ正確に認知症を診断する技術があります。


 バンコク病院の脳神経科医であるヨーティン・シンワラン医師によると、認知症は脳の異常で脳細胞が破壊されることから起こる病気です。加齢による衰え、遺伝子、事故、脳血管疾患、脳・神経系の感染症、脳に影響を及ぼす病気など脳細胞が破壊される原因は様々です。現在、研究の結果認知症は65歳辺りから発症するのでなく、40~65歳に発症し少しずつ進行していくことが分っています。タイで約2百万人が認知症だと診断されています。


 認知症は症状がはっきり表れるまで15~20年かかります。ゆっくり進行していき、最初は記憶力の問題はなく少しずつ衰えていき少しずつ記憶力が低下していきます。脳内に溜まったアミロイドβ蛋白 (amyloid beta protein) が10~15年間かけて脳細胞を破壊してるからです。

 多くの場合、認知症の症状ではなく、老化によるちょっとした記憶力の低下だと軽くみてしまうため、症状がはっきりと現れた時には診断や治療が遅れてしまい完治が難しい状態になります。また認知症は老人の病気で予防することも完治することもできない、そのうえ一生薬を服用し続ける病気だと思われがちですが、認知症は早期発見早期治療で予防、回復、完治することも可能です。

 そのため自身や周りの変化に気づくことが大事です。薬の飲み忘れる、ガスの閉め忘れ、電気の消し忘れ、鍵のかけ忘れなど普段日常的にやっていることを忘れてしまう、新しいことを覚えられないといった学習力の低下、人物や物などの名前を思い出せない、幻想を見る、睡眠障害などの症状が見られたら病院でなるべく早く診断してもらいましょう。


 現在の医療技術ではPET検査で90%以上正確に認知症を診断することができるまでに進歩しました。PET検査は陽電子放射で脳内を精密に検査する技術で、検査を受診することにより認知症だけでなく他の病気の早期発見に繋がります。

 軽症のうちに発見すれば今後の過ごし方や治療計画を立てることができます。読書、計算を使うゲーム、他者とのコミュニケーションなどの脳を活性化させるトレーニングを行うことで認知症の症状や老化を遅らせることができます。


 バンコク病院ワタノソットがん病院の心臓核医学医師であるサーマート・ラーシャダーラー医師は、PET検査は元々がん治療専用だったが、核医学技術の進歩により最小の放射線量で最大限の効果を得られるため放射線物質が必要となる診断や治療が安全なものとなったと語っています。現在の核医学の技術は、放射性物質と糖分やアミノ酸など体内の化学物質と同様の物質を合成し、注射や検査薬として体内に取り込み、取り込まれた放射性核種は基礎代謝により全身の血液や細胞組織へと拡散することで器官や内臓の働きを観察することが可能になりました。

 PET検査は全身を撮影した画像は3次元画像表示することができ、放射線源の体内集積度、細胞機能、臓器機能、細胞組織、生理機能、そして新陳代謝を測定することができます。PET検査は認知症の他にもがん、心筋虚血症、心筋梗塞、脳腫瘍、脳内発作の診断および場所の特定、記憶喪失の診断などに役立ちます。認知症や記憶喪失の診断では、脳内のブドウ糖量や糖分量を調べ脳細胞機能を評価します。撮影した画像ははっきりとした色別で問題のある箇所、または将来問題へと発展するリスクのある箇所が表示されます。そのうえ、認知症の初期、中期、後期の進行度を診断することもできます。


 現在C11-PIB(Pittsburgh Compound B)物質を使用した、認知症患者に多く蓄積したアミロイドβ蛋白を調べるPET検査は専門科が認める最新の認知症検査法です。この検査法は、症状が表れない初期段階の認知症も診断することができる、髄液排除試験(脳脊髄髄液を排泄してアミロイドβ蛋白を測定する検査)をする必要がないため痛みがない、より正確な診断結果が得られる、などのメリットがあります。バンコク病院はC11-PIB (Pittsburgh Compound B)を開発ができるタイ初そしてタイでたった一つの病院です。 


 認知症は正しい治療を受けずに放置しておくと生活をおびやかす病気となります。ですので、読書、ストレスを溜めないようにポジティブになる、定期的に運動する、栄養バランスのいい食事など心がけましょう。さらに40歳以上の方は認知症検査を受けることをおすすめします。早期発見であればあるほど治療はより簡単なものになります。